兎徒然

うさぎと暮らす日々、ときどきアート

横山大観「画は人なり」

  先月末に行ってきた横山大観展。正直、横山大観という人はまだとらえられてない。

 

 

 

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  コレ。絵に詳しくなくてもきっとどこかでみたことあるはず!

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  最近放送されたテレビの特集で、国立近代美術館の研究員が「実はあまり上手ではない」とコメントしたらしいが…。

  うーむ。この方学術的研究だけでなく、実際に水墨画法をさわりでも試みたことがあるんだろうか。

  たしかに人物や動物のデッサンは解剖学的には狂いがあるが、そんなこと言い出したら名画は写実だけになってしまうではないか。

   大観は、三年前までは特に興味がなかった画家だ。先代が亡くなり、母が定年退職し、家族旅行に行くならこのタイミングしかないよね?と行った島根旅行で足立美術館を訪れた。

  足立美術館は日本一と称される大パノラマ庭園を、日本画の一級品が集められた館内から見渡すことができる。私は竹内栖鳳魯山人がお目当ての作品だったのだが、大観の墨彩画に打ち抜かれた…。

  

  朦朧体と揶揄もされた大観の墨のぼかし…これそんじょそこらの人には真似できる技術ではない。

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  これを模写しろと言われたら吐く覚悟…。

 

  図版だとわからないが、この人の墨の色の綺麗さは息をのむ。「墨に五彩あり」の名言そのままである。

 

  足立美術館では、うちの芸術にキョーミなし家族が待てるのが2時間だけだったので、とにかく観たい作品を決めて足早にまわり、消化不良に終わってしまい、今回あらためて大観作品に対峙したが、大観の画題、技術の幅広さは凄まじく…この人の絵の熱に圧倒されて帰ってきただけ。

 

  今回特に好きだなと思ったのは「洛中洛外雨十題」。

  大観の良さを詰め合わせたような作品。

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  特筆すべきは、デフォルメした人物の線描の洒脱さ。こんなのも描けるんか!?と、うますぎてちょっとムカつきました( ̄∇ ̄)

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  大観は人間として暖かい人だったんだろうなーと思う。ちっちゃく描かれた家の中の人物、表情もないのに、会話や仕草まで想像できる。

  なにげない暮らしのワンシーンに、ここまで慈しみこめた絵はあまりない。

 

↓こんな人。笑

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写真一枚でこの破天荒ぶりがわかる。

 

 

横山大観の世界

横山大観の世界

 
気魄の人 横山大観 (別冊太陽 日本のこころ)

気魄の人 横山大観 (別冊太陽 日本のこころ)

 

 

  晩年の食事は酒だったそう。病気で食事ができない時も酒で命をつないだとかいう逸話がのこる。

  でも、この人絶対真面目だったと思う。豪胆さと繊細さをあわせもった人。

「筆を持って絵を習うことはそう大騒ぎしなくてよいのです。それよりも人物をつくることが大事で、それを土台にしないことにはいくらやっても駄目なことです。

 人間が出来てはじめて絵が出来る。…歌もわかる、詩もわかる、宗教もわかる、…哲学も知っていて、そうして茲に初めて世界的の人間らしき人間が出来て、今度は世界的の絵が出来るというわけです。…」

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 大観の富士は大観そのものにみえる。

 

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  図録は今回買ってない。写真は足立美術館のもの。

 

 大観のチケットに付いている常設展は、時間がなくて観れなかったので、金曜日にまた近代美術館に寄る予定。

  図録や本も気になるのが沢山ある。あと面白いのがトランプ!

  大観の40メートルの絵巻「生々流転」を印刷したトランプがでていた。並べると全巻ちゃんとあるそう。いいなー、ほしいなー。でもコレ無駄遣いだよねー?

 

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  模写とも言えない落描きレベル。やっぱりもっと本格的に水墨をやりたい!

  

  もう15年ほど前に「ハチミツとクローバー」という漫画が流行った。

  芸大生がそれぞれ自分の道を模索する、ほんとに青臭いまぶしすぎる作品で、私はこの漫画の1番好きなシーンが2巻の旅館でのシーン。天才真山が掛軸をダメにしてしまい、「これ代わりに貼っといてもダメかなー」と、醤油で龍を描くシーン。

  「お前…大観!?」と周りが鬼才ぶりに驚くのだが、醤油で朦朧体!?しかも指でっ!?っていう漫画らしい巨匠エピソードにグッときた。

  いつか旅館で暇になったらやってみたいなと思い15年過ぎてしまった…笑笑

 

  

 

 

  

 

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