兎徒然

うさぎと暮らす日々、ときどきアート

絵画表現の追求ー いわさきちひろに憧れてー後編

 

  年頃になったちひろは、親がセッティングした見合いをすることになる。

  相手はちひろにぞっこん。でも、ちひろは受け入れられない。当時は結婚なんてみんなそんなものだったんだろう。

  外国に行けるなら、と渋々承諾して大連へと渡る。

  ある日ちひろが玄関に入ると、夫がぶら下がっていたという。一年にも満たない結婚生活だった。

  

ちひろの昭和 (らんぷの本)

  結婚したものの、ちひろは夫を受け入れられなかった。精神的にも、肉体的にも。

 当時の女学生は、性の知識はほぼ皆無で、結婚初夜には強姦から和姦にいたる、というのが当たり前の認識であったそう。夫は恋したかわいいちひろに嫌われたくなかったのだろうか。

 花街で遊び梅毒を患った夫は、薬を飲んで首を吊ったという。

  まるで映画をみたかのように、この光景が頭に浮かんだ。ガラガラと引き戸を開けて、目の前に自分の夫がブランとさがっていたら、どんな気持ちであったろうか?好きになれなかった夫が。

  岩崎家では、肝硬変で死んだということにして内々に処理したそうだが、後にちひろ自らが真実を話すようになったそう。

 

  運良く帰国できたちひろは、宮沢賢治社会主義的思想に傾倒していく。

  芸術学校で学ぶために上京したちひろは新聞社の記者という仕事をえた。単行本や紙芝居の依頼も舞い込み、文部大臣賞受賞など、順風満帆に作家としての人生をスタートさせた。    

  

  そのあと、ちひろは年下の共産党松本善明氏と恋に落ち、めでたく結ばれた。

  結婚式はふたりきり。ちひろは持っていたなけなしの金を全部花に変えてしまってアパートを飾ったという。

  

  

ラブレター

  

  息子は生まれたが、食べていくにもやっとの暮らしで、愛しい我が子を母に預け、来る仕事をひたすらこなして金と時間を作っては会いに行ったちひろ。

  世の中の子どものための絵を描きながら、我が子に寂しい思いをさせている、そんなジレンマが常にあったのではないか。

  出産は画業においてもまた影響を与えた。

   いわさきちひろは赤ちゃんを月齢で描きわけられたという。そんなことができる画家は世界中探してもきいたことがない。

  かわいい我が子の一瞬を目に焼き付けようとした母親は、画家の観察眼を遺憾なく発揮した。

  

おふろでちゃぷちゃぷ (松谷みよ子 あかちゃんの本)

  ちひろの自画像は、フワフワしたかわいいお嬢さんといった要素は皆無で、いつも厳しい目をしている。これがちひろの本当の姿なんだと思った。

 

  ちひろが亡くなった時、周囲の人は「泣いたところを見たことがない人」だったと言った。

 

  真綿で鉄の棒をくるんだような人、身内はこうちひろを称した。

 

  見せなかった涙はぜんぶ、絵に滲んでいるような気がした。

にんぎょひめ (いわさきちひろの絵本)

 

   この本に出会うには、東京まで行かなきゃいけなかったのか、と興奮冷めやらぬ中、バスを降りて家路を急いだ。ネットでポチ、の今ならわざわざ東京で本を買おうとは思わないだろうが。

  

  

  隣に座っていた子が帰り際に一言。

「その人の絵すきやわ。その表紙の子、フレミーに似とるねぇ。」

 

  私はどんな顔してこの本を読んでいたんだろう。

 

いわさきちひろ (講談社+α文庫)

 

どれか一冊画集を買うならちひろBOXがおすすめ。

ちひろBOX

代表作が網羅されており印刷もきれい。

手に取りやすいサイズなのも◎。

私、これをいつも枕元においている。

 

 

  先週、ふらりと立ち寄った古書店で絶版の画集をみつけた。全巻欲しかったけど、手持ちのものとダブる。みたことがない絵本のダミーや、広告が載っていた一冊を手に入れた。

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おぉお!貴重!!
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醤油とヨーグルトのポスター広告。
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これ、スーパーにあったら頼み込んでもらうわ(・∀・)
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  これみてたら、昭和って素敵♡と、思ってしまう。この時代の手書きレタリングって素晴らしい!!

 

   雨が降って涼しい京都。

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  ふきちゃんも、今夜は活発( ^ω^ )