兎徒然

永富 月来子、絵描きです。うさぎと暮らす日々の由無しごとを綴ります。

正しい持ち方は正しいのか?

  昔から字だけは褒められてきた。

 絵は褒められないこともあったけど、字は「達筆だね」と、よく言われる。

  やたらに謙遜するのも何だから、ありがとう、と返すようにしている。

  絵の延長で筆文字も描いてみたりするが、書道は習ったことがなく、本当に我流。小学校で一番好きな授業は書写の時間だったかもしれない。聞いたり喋ったりしなくていいから。

 

  姉が公民館でやっている書道教室に通っていたので、時が来れば自分も習わせてもらえると思っていたけど、母の判断は「字は書けてるから習わなくていい」だった。

 

  絵は一応デッサンもやったし、水墨画の基本の基は習った。だから好みはあるかもしれないが、ある程度描ける!と言える術はあるはずだ。

  書にはそれがない。型をしっかりやった経験がないので、すがるものが何もなく、自由な反面よくわからないのだ、いつも。

  その道の人からするとどうなんだろう?と思う。

  和仮名や行書、草書をちゃんと書いてみたくて、本を手ほどきにして数年前から思い出しては書もやってみる。

  でも、思い出したら、のレベルなので全然上達している気がしないのだが、この年末年始に筆をとっていたら、ある変化に気づいた。

 

  筆の持ち方のバリエーションが増えていた。単勾法で筆が持てるようになっていた。

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  私はそもそも正しい、とされる持ち方ができなかった。筆だけでなく、鉛筆も、箸も。

  

  しかもその持ち方がおかしいことに気づいたのは、18歳頃。テレビで箸の正しい持ち方がやっていて、あれ?違う!と。

  自分の持ち方は箸にしろ筆にしろ、人差し指が遊んでいて、役を担うのは中指と薬指だった。スマホの操作も中指でする。

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  箸づかいは相当に器用な方だったので、何も気にしたことがなかった。それを母に言って鉛筆を握ってみたら、それも間違った持ち方だと言われ…(´-`)ま、でも、使えてるしいっか!となったが、困ったのは陶芸の絵付けを勉強し出してからだった。

  まず、専門学校で先生に「あんた持ち方変わってるな!それ治した方がええで」と言われた。

  あーだこーだやってみたけど、20年それでやってきたのだ。治らなかった。しまいには先生も、「つきこちゃんの持ち方で描いてみたら上手いこと描けるんかなとおもてやってみた!めっちゃ難しかったわ。あんた器用やな!」などと言い出す始末。(ユニークな先生だった)

  

  卒業して窯元にはいったが、超過労働で体調を崩して半年で辞めざるをえなくなったが、今思うと、筆の持ち方をずーっとチクチク言われたのもストレスだった。かなり。

 

  私はそもそも、治す気になれなかった。

 だって、誰もなんでこの持ち方があかんのか、論理でも作品の上でも証明する人はいなかったのだ。治してうまく描けるなら頑張って治そうとしたはずだ。

  

  ところが!

  三年前に筆跡鑑定の本を興味本位で読んでいたら、持ち方の紹介に自分と同じ筆法が出ていた。

  清の碑学派の大家チョウユウショウのもとで学んだ宮島詠士の言による執筆法だとか。

  

  読んだ途端、ほれ!と思った。

  

  世の中正しいとか正しくないがひっくり返る瞬間って多々あるもんだ。

 

  

  双勾法では今も自在にコントロールが利かない。筆が固定されすぎて硬い線になってしまう。

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   単勾法が使えるようになったのは、もしかしたら腱鞘炎の影響もあるのかもしれないが、どうも筆軸の太さや描きたい線で持ち方が変わるようだ。

  

  声を大にして言おう。

  正しい持ち方に拘る必要は無い。

 

  ちなみに鉛筆は今も、間違っているとされる持ち方をしている。そもそも正しいとされる持ち方の鉛筆の角度って書きにくくないか?

  会長はかなり鉛筆やペンも緩急をつけて使う。正しいとされる持ち方だと、安定した筆記はできるかもしれないが、固定されすぎてペン先の角度の振れ幅がせまくなるし、書いてる先が自分の指で見えにくいのだ。特に空間のバランスを気にすると、書いてるその先が見えないと美しく筆記することは難しい。

  そしてこの低い角度まで鉛筆を自在に動かすには、中指を軸にかけた持ち方をするしかない。中指一本分の空間が出来ることで右方向への運筆の自由度があがる。

  

  私の指はそれを感覚的に分かってこの持ち方を執ったんだと思う。

 だから、今では自信を持って清時代の書家と同じ持ち方だと言い切っている。

  

 

  ちなみに小学校入学の時には、こんな補助具が配られて一応使っていた。

 

 使って正しい持ち方をしていると信じ込んでいた!笑笑

 

 

  筆跡の本、面白そう!現代では他人の字を見る機会が減りつつあるが、文字をみるとその人の精神性もある程度わかるなぁ、なんて思う。

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お題「これって私だけ?」