兎徒然

永富 月来子、絵描きです。うさぎと暮らす日々の由無しごとを綴ります。

読解力とは他者を尊重する力

  現代人は読解力が低下しているという。ネット上に溢れる、プロが書いた記事、素人が書いたブログ、それに対する反応を読むと、そもそもちゃんと読んでない、読めてない人は多いなぁ、と思う。

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  原因はやはりスマホの普及なのか。

  無論、この兎徒然にも誤字や変換ミスはあるかもしれないが、今回はちゃっと棚にあげます。(`・ω・´)

  ニュースの記事の誤りが目につくことがかなり増えた。速く記事を書き、速く反応する。その中で正確性が置いていかれている。

  また、そこまで興味がないこと、自分にとって重要でないことだが、一応目を通す、というような読み方を日々続けていると、それがクセになってしまうのかもしれない。

  ネット記事に対しての反応であれ、日常の対話であれ、誤った読解による瑣末なズレは、積み上がって対人関係のズレになっているケースも多々みかける。

  語彙力と読解力は違う能力である。これをごっちゃにしている人は、単語を知っているから、読めていると思ってしまう。

  文章の中には言葉そのものに意味がある内容語と、独立して意味をもたず、内容語に付随して文章を成り立たせる機能語(助詞、助動詞、接続詞など)がある。

  速読とは本来は内容語を拾えることを前提に、機能語を内容語に正確にすばやく繋げて文章を理解することだ。

  しかし、ただ速く読むことだけを目的にして、機能語をすっ飛ばすだけの読み方をしている人は多い。機能語をすっ飛ばすのは、ただの飛ばし読みだ。これをやると単語を自分の経験や固定概念からくるイメージで膨らましてしまい、勝手に話を変えてしまう。

 

   ↓未読ですが、わかったつもりの人、いますね…

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

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  • 作者:西林 克彦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/12/13
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  以前の上司で、仕事の話をしていても、全く会話にならない人がいた。考え方の違い、それを伝えようにも、こっちが喋ったことを理解できていないようだったし、言ってることも全く

筋が通っていなかった。喋るうちに主題がどんどんズレていく…。話しながら、この人は学生時代は国語が苦手だっただろうなぁ、と思った。

   読解力とは、相手を尊重する力でもあるな、と思う。

  この筆者は何がいいたいのか、どんな思いをこの文章で他者に伝えようとしているのか。それを汲みながら文章を読むのと、相手の思いを受け止めるべく、日常の会話の中で他者の言葉に耳を傾けるのは、同じことではないのか。 

  そう思うと、読解力の低下は、本当の意味で他者に興味が無い、個人主義な社会になりつつある兆しであるともとれる。

  

  現代作家で、文章が巧いなぁと感じ入ったのは村上春樹氏。彼の小説は、文章の構築に隙が全くない。書いている内容が理解できなくても、多分だいたいの人が文章は読めてしまう。文章が読めると、内容がわかったような気になるものだ。

  怜悧な方だ。しかし、彼は読者を信用していない。読みながら、信用されてへんなぁ…笑と、感じる。

  

 

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

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村上さんのところ (新潮文庫)

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  • 作者:村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
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村上春樹、方法としての小説―記憶の古層へ

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